医療脱毛の 効果を決定する 3大因子
医療脱毛の効果は、
照射方式・レーザー・
照射熱量で決まる
医療脱毛は、医療用レーザーを肌に当て、生じる熱によって発毛組織を破壊する施術です。
そして医療脱毛の効果は「照射方式」「レーザーの種類」「照射熱量」という3つの因子に大きな影響を受けます。
高い脱毛効果を得るためには、毛質に適した「照射方式」「レーザー」を使い、十分な「熱量」を照射することが重要です。
このページでは、脱毛効果に影響をおよぼすこれら3つの因子について解説していきます。
この記事の監修医師
レーザーの種類
そもそもレーザーってなに?
医療脱毛とは、レーザーによって生じる熱で発毛組織を破壊する施術…なのですが、レーザーってなんなのか、ご存じですか?
実はレーザーとは光であり電磁波の一種。つまり目に見える波。ただ、自然光とはちょっと違います。
自然光はいろんな波長の光が混ざってできています。光の色は実は波長で決まるのですが、自然光はいろんな波長が混ざっているので白く見えます。(光の三原色です。)
これに対しレーザーは波長がほぼ単一です。それゆえ単一方向性が強く、光の強度を強くすることも可能です。この性質を活かし、レーザーは医療用途に限らずいろんなことに活用されています。
医療脱毛レーザーは
3種類ある
医療脱毛に使用される代表的なレーザーは3つあります。アレキサンドライトレーザー、ダイオードレーザー、ヤグレーザーの3つです。
この3つのレーザーの違いとは「波長の長さ」です。そして波長が違うことで、毛根のメラニン(≒黒い色)にぶつかったときの吸収率が変わってきます。
波長が短いレーザーほど
吸収率が高く、
すぐに熱に置換される
レーザーはその波長の長い短いによって、毛根のメラニンにぶつかった時の反応が違います。
波長が短いレーザーほどメラニン吸収率が高く、毛根にぶつかるとその場で多くが吸収され、熱を生じます。
逆に波長が長いレーザーは毛根にぶつかってもすべては吸収されず、一定量が透過していきます。そして透過した光は毛根を突き進みながら熱を生じていきます。
つまり…
レーザーの違い(波長の違い)とは「熱ダメージを与えられる深さの違い」なのです。
ダメージを与えられる
深さが違うということは、
得意な毛質が違うということ
毛根の深さは人それぞれ、部位それぞれです。
たとえば産毛の毛根は浅いですし、VIOやワキなどの剛毛の毛根は深く、皮下3mm以上の深さです。
レーザーによって「熱ダメージを与えられる深さが違う」ということはすなわち、レーザーによって得意な毛質が違う、ということです。
波長が短いアレキサンドライトレーザーは産毛が得意です。波長が長いヤグレーザーはワキやVIOのような剛毛が得意です。ダイオードはその中間。
つまり、どのレーザーを選択するかによって、抜けやすい毛が変わってくるのです。
レーザー選びのポイント
レーザーはそれぞれ得意な毛が違います。自分の気になる毛に合わせてレーザーを選ぶことが大切です。また理論上は、各部位の毛質に合わせてレーザーを使い分けることも効果的と考えられます。
3つのレーザーすべてを
同時照射しています
当院では、3つのレーザー3つを同時照射できる先進脱毛機「エクレアプロ」を使用しています。従来の脱毛機と違って「産毛か剛毛かどちらかしか得意ではない」ということがなく、どんな部位にも、どんな毛質の女性にも高い脱毛効果を発揮します。
レーザーの照射方式
照射方式とは
“レーザーの当て方”です
照射方式とは施術時のレーザーの当て方のことです。「熱破壊式」と「蓄熱式」の2種類の照射方式があります。
脱毛機によって使用できる照射方式が異なり、この照射方式は医療脱毛の効果に影響を与えると考えられています。
熱破壊式とは、
強力なレーザーを
「1発だけ打つ」照射方式
熱破壊式とは、出力(フルエンス)が高いレーザーを1発だけ照射する照射方式です。
レーザーを1発照射したら照射器をズラし、また1発照射して照射器をズラし…これを繰り返しながら施術を進めていきます。
出力30J/㎠(蓄熱式のおよそ3~4倍)という強力なレーザーで毛根を200度程度にまで一気に加熱。この熱によって「毛包幹細胞」と「毛乳頭」という2つの発毛組織を破壊します。
蓄熱式とは、低出力の
レーザーを「連続で何発も
当てる」照射方式
蓄熱式とは、低出力(一般的に5J/㎠~10J/㎠)のレーザーを同一部位に何発も当てる照射方式です。
毎秒5~10発のレーザーを連射する照射器(連射速度は機種や設定により異なる)を肌の上で滑らせ、同一部位を何パスも通過し(何回かなぞって)、肌の同じ場所に何度もレーザーを当てていきます。
レーザーを何発も当てることによって毛根に熱をため込み、毛根を60度程度にじわじわ加熱。その熱によって毛包のバルジ領域にある「毛包幹細胞」を破壊します。熱破壊式と違い、毛乳頭は破壊しません。
照射方式による効果の違いと
選び方のポイント
熱破壊式と蓄熱式では、「得意な毛質が違う」とされています。
熱破壊式はワキ・VIOなどの剛毛が得意です。
蓄熱式は逆に顔などの細かな産毛が得意です。
自分の毛質や、気になる毛に合った照射方式を選ぶことがポイントです。
すべての部位を蓄熱式で
施術します
当院では全身・VIO・顔ともにすべて蓄熱式で施術をおこないます。理由は「女性に多い産毛に効果的だから」ではありません。効果に最も影響を及ぼす「熱量」を最大限確保しようとしたときに、熱破壊式よりも蓄熱式のほうがはるかに確実性が高いからです。
なぜ熱破壊式ではダメなのか、詳細は「熱破壊式と蓄熱式の違い」で解説しています。併せてお読みください。
照射熱量
照射熱量とは何か?
照射熱量とは「肌に与える熱の量」のことです。ジュール(J)という単位で表し、照射熱量はレーザー1発の出力値(フルエンスともいいます)にレーザーの照射回数を掛けることによって算出します。
実際に計算してみましょう。
例えば熱破壊式照射において、肌1㎠に対して「25J」という出力で「1発だけ」レーザーを照射した場合、照射熱量は25J/㎠です。(この数値は、熱破壊式脱毛における肌1㎠への平均的な照射熱量値です。)
蓄熱式でも同様に計算してみましょう。
肌1㎠に対して「8J」という出力で「6発」レーザーを照射した場合、照射熱量は48J/㎠になります。(この熱量数値も、蓄熱式脱毛における一般的な照射熱量の値です。)
このように照射熱量は、出力(レーザー1発の威力)に照射回数を掛けることによって算出します。
ちなみに熱破壊式と蓄熱式を比較すると、出力(レーザー1発の威力)は熱破壊式のほうが高く、照射熱量は蓄熱式のほうが多い、というのが一般的です。
照射熱量が多いほど
毛は抜ける
照射熱量と脱毛効果は比例関係にあり、照射熱量が多いほど脱毛効果は高くなります。逆に少ないと毛は抜けません。
というのも…発毛組織を破壊するのは「レーザーによって生じる熱」なのですから、その熱が多ければ、つまり加熱すればするほどよく抜けるというのは当たり前の話です。
熱破壊式より蓄熱式のほうが
照射熱量は多いが、蓄熱式の
ほうが抜けるわけではない
熱破壊式脱毛と蓄熱式脱毛の照射熱量を比較すると、一般的には蓄熱式脱毛のほうが照射熱量が多くなることがほとんどです。
しかし熱量が多いからといって、「蓄熱式脱毛のほうが熱破壊式脱毛よりも抜ける」というわけではありません。
蓄熱式脱毛は、「細切れに連続してレーザーを照射する」という方式上、レーザーとレーザーの合間でどうしても熱が逃げてしまいます(温度が下がってしまう)。それゆえ、熱破壊式と同等の効果を得るにはおのずと熱破壊式よりも多くの熱量が必要になるわけです。
熱破壊式は出力を下げると
照射熱量が減る
熱破壊式脱毛は肌の同一部位にレーザーを1発しか照射しません。それゆえ、痛みで出力を下げたときに照射熱量も減ってしまいます。
しかし蓄熱式は、たとえレーザー1発の出力を落としたとしても照射熱量を減らさずに施術することが可能です。レーザー1発の出力を落とした分だけ照射回数を増やせばいいからです。照射熱量をしっかり担保するという観点では、熱破壊式よりも蓄熱式のほうが優れていると言えるでしょう。
脱毛効果を上げるための
ポイント
もし熱破壊式で脱毛を受けるなら、痛くても出力を下げてもらわず我慢することがポイントです。
もし痛みが不安という場合は蓄熱式のソプラノチタニウムかエクレアプロがお勧めです。この2つの脱毛機は、出力(フルーエンス)を下げた際に自動で照射時間を延長する機能を備えており、照射熱量の減少が一切おきません。
多くの大手クリニックが採用する脱毛機、「ソプラノチタニウム」は、当院の「エクレアプロ」と、非常に似通った性能を持っており、許容限界熱量(推奨照射熱量)もほぼ同じです。
しかし、規定の推奨熱量を照射していないクリニックは多く、A4サイズあたり19kJ程度(当院の約2/3)しか照射しない大手クリニックが複数確認されています。
十分な熱量を照射しないことは、効果が下がるだけでなく硬毛化のリスクもあり大変危険です。
蓄熱式ならどこのクリニックでも効果は同じということはありませんし、同じ機械・類似する機械を使用していたとしても、クリニックによって効果はまったく違います。契約前に照射熱量はしっかり確認するようにしましょう。
最大熱量を確実に照射
しています
当院では、安全に施術可能な最大熱量を照射しており、A4用紙サイズあたり(600㎠)28.2kJの熱量を照射しています。
この照射熱量は、当院脱毛機の「エクレアプロ」とほぼ同じスペックである先進蓄熱式脱毛機「ソプラノチタニウム」を使用する大手格安クリニックのおよそ1.5倍です。
「レーザーによって得意な毛が違う」という考え方は、脱毛業界では一般的な考え方です。しかし、異説もあります。
その異説とは、“毛根の浅い部分で生じた熱は、“毛根を伝って深部に広がっていく”ため、毛根深部にまで直接レーザーを届ける必要はない”という考え方です。
つまり、「ヤグレーザーは必ずしも必要ではなく、ダイオードレーザーで十分なんじゃないの?」ということなのですが…、正直なところどちらが正しいのかまだはっきりしていません。